リピアニでの朝を迎え、一行は再び旅路につく、ここから先はSaklungというこのあたりの山の頂上を目指すことにした。
ネパール第二の都市ポカラを離れこの辺りまでくると村の人々の生活や人柄を肌で感じる事ができ都会の生活で麻痺した人間としての原点の生活を見る事ができ るような気がした。ここの人たちは電気も限定的にしか使えず、水道もろくに整備されていない生活をしているが、我々が通れば近所の人に挨拶するのと同じよ うに声をかけ、楽しそうに笑って生活している。また我々から見て恵まれていないと思われるような生活をしているが、誰一人として物乞いをする人はいない。 豊な生活とは何かを深く感じたトレッキングである。 Saklungはこのあたりでは見晴らしのいい丘のような所でありここで確か標高が2,000メートル。自分たちがこの後歩いていく湖が遠くに見える。
この後は2日目の宿泊地であるSyaklungに向かうが途中地図上の道がわからなくなり、一行は道なき道をひたすら進む。ここで一つ思ったのはこの国ではある村に向かって進んでいるとき通りがかった地元の人に道順を聞くと細かい行き方を教えず、必ず方角を指で示し「あっち」と一言で終わる。感じたのは道の概念が我々とは少し違い、道に従って歩くのではなく、向かう方角に向かって歩きその時に必要な道を通っていくかのようだ。常に毎日足下ばかり見て人生を歩んでいる自分にたいしてももっと目標を見据えて毎日を過ごさねばと、自分なりに反省したりもした。
また時間の概念も少し違うようだった。村までどれくらいかをよく「30分くらい?1時間くらい?」など聞いたが、ほとんどの人がズバッと答えられない。時間の感覚が少し違うようである。ほとんどの人が時計を持ってないし、家の中にも時計があるのをそんなに見ない。あまり時間を意識して生活しておらず日の出と日没だけを気にして生活しているようだった。我々の経済社会では9:00〜18:00の時間帯を中心に1日の生活が組まれていて、その前後の時間を有効活用するために時間を気にしながら毎日を送っているが、彼らの場合は電気もない生活をしているので1日の活動は日中に限られる。従って朝は6:00から活動し日没後夕食を食べて20:00には寝るといった生活である。この時間内でできることだけをやりできないことは翌日に行うのだろう。すごい人間らしい理にかなった生活だと思った。我々の場合は夜は夜で楽しい事がいっぱいで、早く寝てしまったらなんだか損したような感覚がある。今後は少し自分の生活も朝を充実される方向にシフトしてみようと思う。
2日目の宿泊地Sagarbotについた。ちょうどここで日没今日はここで泊まる事にしたが、なんと地図には村と記載されているがそこには家が二軒だけ、しかも普通の民家、しかたなく「泊めてください」とお願いすると「一泊50ルピーで飯が100ルピー」と快諾してくれた。なんと一泊夕食付きで170円程度である。
部屋は昨夜と同様、ほぼ外気と同じ気温。布団はあるとはいえ固い掛け布団が一枚だけ、これで朝は生きて目が覚めるのだろうか。。。 この家での救いは食事が美味しかったこと。もしかするとネパールで一番美味しかったかも。