砂漠の中で一夜を過ごした翌朝、自分以外の4人はこのテントからメルズーガへ戻り、自分とガイド(英語もフランス語も話せない)は次なる目的地ブラックデザートに向かうことになった。ブラックデザートとは砂丘の先にあるアルゼンチン国境付近の岩盤地帯である。ここは平らな岩盤の上に溶岩でできた黒い石が広がっている砂漠である。砂漠と読んでいいのかはわからないが現地ではブラックデザートと呼ばれている。そこを目指すために出発した。
自分とガイドは話せる共通の言語がなく終始無言である。しかし彼の自分を喜ばせようとするホスピタリティは十分に感じられた。彼は疲れを見せることもなく砂漠の中を裸足で進みラクダが超えれそうにない急斜面は砂の中に階段のような道を作り、ラクダを進めて行ったそれはまるでラクダと会話ができてるかのようなスムーズで息の合った光景だった。数時間後、辺りの砂丘が終わり視界が広がるとそこには干上がった湖のような乾いた大地が広がっていた。ブラックデザートである。周囲に何キロも広がるその光景はまさにこの世の果てと呼ぶのにふさわしいような乾いた大地であった。しかしそのブラックデザートの中には2〜3軒の家のようなものが遠くらかも確認できる。どうやらそれが今夜の宿のようだ。その1軒に向かいガイドはペースを変える事なくラクダと自分を砂漠の果てまで進めて行く。1軒の家に到着するとガイドは家主に挨拶し、自分を家族に紹介した。どうやら今夜はこのご家庭に泊めてもらうようだ。砂漠の中で暮らす人々の生活を見れるのは面白いかもしれない。どんな生活をしているんだろう。食べ物は?水は?トイレは?そんな疑問が頭の中をもの凄いスピードで通り過ぎて行く。 その答えの一つがすぐに判明した。
「すいませんトイレかしてください」
「家にトイレは無い。この砂漠が全部トイレだ!」
強烈すぎる。野宿ならまだしも家にトイレがない。そして周りには隠れてする所もない。逆に言えば見る人もいないのだが。トイレに言っている間にガイドが荷物をおろし始めていた。自分がラクダに座っていたマットが自分の今夜寝るマットレスとブランケットだったようだ。それらを泥でできた家の床に敷き就寝用意は完了である。
ここに到着したのは昼の2時頃であったが、これから夜まで何をしよう。あたりはほんとに何もない。砂漠のように登る砂丘もなく見えるのは地平線と国境近くの岩やあだけである。ここで夜までなにをしようと考えていると、なぜか家の中から日本人が出て来た。彼の名はW君、話をすると彼も世界一周をしている旅人だった。南米から入り今はアフリカを回ってモロッコに来ていたようだ。彼とはその後色々話しハッシュドベルにある日本人が経営する宿の話を聞いた、彼はそこに泊まっているという。そういえば昨日まで一緒にいた日本人N夫妻はその日本人宿を探していると言っていた。N夫妻の目当ては久々の日本食だった。戻ったら彼らと一緒に訪ねてみよう。ブラックデザートの夜はラクダ飼いが連れて来た10頭のラクダの鳴き声を聞きながら、砂漠の寒さを感じながら寝る事になった。
すごい。
写真の腕上がった?よね?
なんだかNEUTRALとか見てるみたいだ。
どこの国も子供って素晴らしいね。
この、キラキラした目!
この風景たちも、すごくおもしろいと思う。
投稿情報: chihoka | 2007/05/13 21:22
今まとめて読みました。
う~、よすぎです!
オアシスの写真なんて、暑さでモウロウとする感覚が呼びおこされました。
それから。
Duneの写真の中にあった、あれって池?なの???すごく気になります。
車で行くなんてすごいね。ガソリンスタンドの話もウケた。
この後も楽しみにしてますわ。
投稿情報: saana | 2007/05/13 22:27
まさに、砂漠の中のオアシスですね♪
すごい、なんか、世界の車窓から・・・並みで番組作れそう。。
投稿情報: yuko | 2007/05/14 15:24
>chihoka
お褒めのお言葉ありがとう。
ウイーンで急遽かった99ユーロデジカメなんだけど、
意外と大活躍ですよ~
>saana
あの池みたいなのは湖です。
メルズーガの砂丘周辺には2つの湖があってその一つです。時間帯によっては沢山のフラミンゴが来てるんだって。
>yuko
ほんと砂漠っていいところだよ。なんか人生を一度リセットしたい気持ちになるよ。
投稿情報: Toshi | 2007/05/15 07:03