昔からいつか沈む夕日を見ながらモロッコ行きの船に乗っ てジブラルタル海峡を渡ってみたいと思っていた。沈む夕日を浴びながらマグレイブカントリーの入口タンジールに入り、そこからイスラム文化の洗礼を浴びるのである。
ジブラルタル海峡という25kmしか離れていない海を超えるだけで人々の肌の色や宗教、文化が全く変わってしまうのは昔から興味深いところだと思っていた。そのヨー ロッパ側が今回訪問するアルヘシラスである。自分もスペインに来て始めて名前を聞いた街であり正直観光地ではなく現地の人には「何でそんなところに行く の?」とよく言われた。我々からしてみれば東京に来た外国人に「津軽海峡に行ってみたい」と言われるような感覚なんだろう。しかしここには自分にはもう一つ惹かれる場所があった。それはイギリス領ジブラルタルである。
恥ずかしながら名前は知っていたがアルヘシラスの東側対岸に見えるこの小さな半島が一つの国であることは知らなかった。ヨーロッパ側の南側スペインにいながら向こうに見える半島がイギリス領だという、日本に住んでいるとなかなかこういう状況を目にすることがない我々日本人にしか感じることができない感覚かもしれない。
フェリーを使ってタンジールで一泊というのも少し考えたが、時間的にこの後が少しつらくなりそうだったので自分はジブラルタルへ半日観光へ行くことにしてみた。ジブラルタルへはアルヘシラスの駅横にあるバスターミナルから 1時間おきにLa Lenia行のバスがでている。このバスターミナルで30分ほど行き終点で降りる。そこからは徒歩で500mくらい行ったところにジブラルタルの入口があ る。そこではパスポートのチェックはするがスタンプは押されなかった。
ゲートをくぐるとミスワールド2009の写真が迎えてくれ、ジブラルタル全景の航空写真がある。そこをすぎると半島を横断するかたちで滑走路がよこぎっており、なんとその滑走路上に道路があり車や人が踏切が開いている間に横断している。
そして断崖絶壁を見上げるとそこには砲台を接地していたであろう無数の横穴があいている。これが難攻不落の要塞と言われるゆえんである。 街の中に入ると警官の服装やバスはイギリス国内と同じもの、今まで街角にあったバールは姿を消しここにはパブが立ち並んでいる。国境を越えるとここはまさ にイギリスそのものであるように感じる。
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